カナ 用語 解説
チイ 地域一番店 価格、品質、品揃え、サービス、営業時間など、すべての商的構成要素、あるいはその一部が、特定地域においてナンバーワンである店のこと。規模の一番店として出店してくる量販店に対する中小小売店の対応策として想定されたものである。消費者にとって魅力のある店であることはいうまでもない。中小商店や専門店が地域一番店としての地位をめざして努力する方向である。
  地域価格政策 同一商品について、地域が異なる毎に異なった価格をとる政策。この政策がとられる主な理由は、距離によって運送費が異なることと、需要の弾力性が地域によって異なるなどの理由による。需要の弾力性の大きい地域では価格を上げ、弾力性が小さい地域では価格を下げると、売上高は短期的に極大となる。
  地域別販売組織 企業の販売活動が地理的にわかれている場合、販売活動を各地域毎に分割し、この区分に基づいて販売組織の編成を行うもの。
  地域密着 地域社会と密接な関連を持つ小売業が、これから一層強化しなければならないとして重視されている機能。具体的には2つの用法がある。ひとつは、スーパーなどの大型店が出店する際に、消費者の支持を得るために「地域社会の実情に即して、地域社会に貢献する」という店舗コンセプトを掲げ、地域に密着した店づくりをすること。もうひとつは、生活必需品を供給し地域住民の基礎的ニーズを満たすとともに、地域住民の生活環境に寄与する機能を期待されている小売業のことを、地域密着型小売業と呼ぶ用法である。
チエ

チェーン・ストア

【chain store】

単一資本で11店舗以上の店舗を直接経営管理する小売業または飲食店の形態(国際チェーン・ストア協会の定義)。たとえ同一資本であっても各店が独立性を強くもっている場合には、チェーン・ストアとはいわない。通常、本部が経営方針を決定し、各店は本部の経営方針に沿って販売活動に専念することになり、レギュラー・チェーンとも呼ばれる。
 

チェーン・ストア・
オペレーション

【chain store operation】

チェーン・ストアが多店舗化展開すること、および出店した多店舗を管理することをいう。チェーン・ストア・オペレーションはチェーン・ストアの基本的な経営技術である。チェーン・ストア・オペレーションの原理は、仕入と販売の分離とその有機的統合、分権組織の確立、垂直的統合、計画仕入による商品調達がスムースに実行されなくてはならない。そのような組織オペレーションである。しかし、この原理を有機的に実行できているチェーン・ストアは極めて少ない。
 

チェック・リスト法

【check list method】

新製品開発や広告制作などに関するアイデアを選別する方法のひとつ。新製品開発のために備えなければならない要件の一覧表(チェック・リスト)をあらかじめ作成しておき、提案されたアイデアをこのチェック・リストで照合し、適合度の高いアイデアから採用していく。このチェック・リスト法は多くのアイデアが出された時の簡便な評価方法であり、第一次的評価でもある。実際のアイデアの採用には、他の見地・方法による分析・検討が必要である。チェック・リスト法はこのほかセールスマンの販売会議などに応用することも可能である。
  チェリー・ピッカー 「美味しそうなサクランボだけを摘む人」からきており、特売商品のみを購入し、通常商品には興味を示さない消費者。日本でいうバーゲンハンターのこと。
チシ 知識産業 知識や情報の生産および供給を廃る業務とする産業の総称。F.マハループは知識産業を、教育、研究開発、コミュニケーションメディア、情報機械、情報サービスの5つに分類している。
チム

チーム・セールス

【team sales】

小人数のセールスマンでチームを編成し、小集団責任制を採用した販売組織のこと。セールスマンは個人別責任体制を基本とした販売方式であるが、わが国では集団活動が好まれ、しばしば大きな成果をあげるところから、チーム・セールスを採用する場合が多い。技術者を含めるなど、チーム編成に工夫が施され、自動車や産業用材の販売で、積極的に行なわれるようになっている。
チメ 知名率 ある事柄の名称や内容について知っている人の割合のこと。商品知名率、会社知名率、ブランド知名率などと使われるが、一般的には広告効果測定のひとつの目安として知られている。同じ知名率を高めるにしても、商品知名率・ブランド知名率と、商品利用の方法などの内容に関する知名率とでは、その利用媒体が基本的に異なる。商品やブランドの知名率を確保するためには、テレビやラジオなどの電波媒体が有効であり、商品内容などの詳しい情報伝達には新聞などの活字媒体が合っている。
チヤ

チャネル・キャプテン

【channel captain】

チャネル・リーダーともいわれ、商品流通における取引価格や取引数量、取引単位あるいは販売促進策などの主導権を握っている業態や企業のこと。商品の流通経路に関わる生産者や卸売業者、小売業者のいずれにとっても、長期的に安定した利益を確保することは、流通政策における発言権を強め、流通経路の秩序をリードすることによって達成される。このチャネル・キャプテンの座をめぐって生産者・卸売業者・小売業者の間で厳しい競争が展開されているが、その時々の市場や社会情勢によってチャネル・キャプテンは入れ替わることがある。
  チャネル別販売組織 流通チャネルの特性別に構成した販売組織。一般小売業者向けチャネル、百貨店・量販店などの大型店向けチャネル、専門店向けチャネルなど、販売先の業種や業態に対応した組織である。長所は、顧客とのコミュニケーションが深まり顧客の特性やニーズに応じた販売活動ができる、多くの商品を扱うことにより個々の商品の販売チャネルが拡大するなど。短所としては、扱い商品の間口が広いため個々の商品知識が希薄になり、商品ベースでのきめ細かな販売活動が弱くなるなどである。このほか販売組織には機能別販売組織、商品別販売組織などがある。
チユ 中央卸売市場 中央卸売市場法(大正12年3月30日制定、同年11月1日施行。依頼数次にわたり改正)にもとづき、農林水産物の主として生鮮食料(行類、肉類、生類、たまご、蔬菜および果実)の卸流通を行わせるため、地方公共団体が開設する市場。産地において生産量の変動が激しく、したがって消費地への供給が不安定であり、財貨自体の物理的寿命が短気でその面からも価格変動が著しい、産地が広域に分散し、しかも生産者が小規模で現代化されていない、などのことから、地域ごとに中央にまとめ、そこで配給を一本化しない限り、一物一価の法則が作用しがたく、価格形成ならびに商品流通が混乱し、受給調節も手放しになることからの配慮。
  中間管理職 企業の管理組織は複雑であり、その組織階層も増大している。上層部の組織を最高管理組織、またはトップ・マネジメント組織といい、それに従属しているが、作業組織と直結していない中間部を中間管理組織またはミドル・マネジメント組織という。
  中間承認排除 財貨の流通は、製造段階から消費段階にいたるまで、商社や仲買商、代理商など数段階の中間卸売商ならびに小売商が介在するのが一般の姿である。流通の効率化、収益性の向上、市場支配力の強化の目的で一部の中間商人を割愛し、流通を短縮する動きが時代とともに進んできた。製造業の直販システム、小売業のメーカー直結仕入れ、消費者の産地直結購入などの形態がある。
  中堅企業 明確な定義はないが、中小企業であって、その業界でリーダー役を果たし、安定した好成績の企業、あるいは技術・商品面ですぐれている企業をさす。中小企業とは、大企業に対する用語であるが、中小企業政策の基本となっている「中小企業基本法」では、鉱工業・運送業では資本金1億円以下、従業員300人以下の企業、卸売業では資本金3,000万円以下、従業員100人以下の企業、小売業・サービス業では資本金1,000万円以下、従業員50人以下の企業を中小企業と呼んでいる。
  駐在員制 駐在員をおいて、市場に密着した販売活動を展開する制度。支店や営業所などを設置するほど市場規模が大きくない都市などでこの駐在員制が採用されている。
  中小企業事業分野調整法 弱い立場にある中小企業を保護する目的で作成された法律で、正しくは「中小企業事業活動機会の確保のための大企業者事業活動の調整に関する法律」といい、通称「分野調整法」という。市場の成長力が鈍化してくると、もともと中小企業が中心であった産業分野に大企業が進出する例がふえてくる。飲料メーカーが豆腐に、大手不動産業者が中古住宅の斡旋業に、パルプ会社が段ボール業にといった具合である。そこで、大企業の進出を抑制し、中小企業の競争力強化を指導することが必要となり、昭和52年(1977)に同法が制定された。
  中小企業の保護法 中小企業保護の法律の中心となっているのが「中小企業基本法」であり、この関連法として「中小企業近代化促進法」「中小企業近代化資金等助成法」「中小企業事業団法」などがあり、中小企業の保護育成のための具体的な方策を定めている。また、大企業が中小企業の多い事業分野へむやみに進出することを規制した「分野調整法」(「中小企業の事業活動の機会の確保のための大企業者の事業活動の調整に関する法律」)と、「大店法」(「大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律」)がある。
  中小企業白書 毎年5月に中小企業庁から発表される、中小企業の動向を詳細に調査・分析した白書。内容は3つに分かれている。(1)中小企業をとりまく経営環境や企業経営についての分析、(2)中小企業をそれぞれ産業分野別に分けて将来展望をはかる、(3)中小企業のための行政施策の分析である。中小企業の現状や問題点をつかみ、将来展望をするには利用度の高い白書。中小企業が大半を占める小売業経営者にとって、業界動向や行政施策動向を知り、自店の相対的位置づけをはかるのに適した資料である。
  中小小売商業振興法 昭和48年(1973)、中小小売商業の総合的、体系的な振興を図るものとして成立した。主な内容は、(1)通産大臣が、経営近代化のための振興指針を定め公表する、(2)高度化事業が円滑に実施しうるよう、金融上・税制上の優遇措置を講じる、(3)経営近代化のための人材育成、必要資金の確保などの施策を拡充する。このような振興法にもとづいて、中小企業振興事業団などが低利貸付制度の枠を拡げ、高度化事業のための調査研究を行なっている。
  抽選会 くじ、懸賞、募集などの当選を決めるための会合。公平を期するため、第三者、警官、官庁関係者などの立会いで行なわれるのが一般的である。芸能人、スポーツ選手などを呼んで、大々的に行うものもあれば、店頭や商店街で、一般客の前で行うものなど、規模はさまざまである。
  注目率 新聞社や市場調査機関が、新聞や雑誌が発行された日か、遅くてもつぎに発行される日までの適当な時期に、その新聞や雑誌を読んだ人に面接して、掲載された記事や広告の一つひとつについて質問し、どのくらいの人たちが、どの程度の熱心さで注目したかを調べる。注目率は、記憶だけでみた記事・広告を思い出す、あるヒントを与えられて思い出す、実際にそれらを見せられて思い出すの3段階に分かれる。
  中流意識 日本人の9割が、自分は中流の生活をしていると考えているという、マーケティング戦略の発想の原点をなしている社会状況の視点である。その根拠は、毎年行なわれている総理府の世論調査で、昭和45年以来、9割程度の人が、自分の生活程度を「中」と答えているというのが、数字的裏づけとなっている。
チヨ 長期経営計画 経営計画のうち、計画期間が長く(一般には3〜5年)しかも戦略的計画としての性格が強い計画を長期経営計画という。長期の経営目標の設定、それらを実現するための戦略定型の作成、戦略体系の具体的な実行プログラムの作成がある。
  帳合卸商 帳合とは小売店と卸売業者の問に口座が開かれている関係をいい、帳合卸商とは小売業者にとって継続的に取引をしている卸売業者のこと。最近では商品をメーカーから小売店に直接届け、事務処理だけを卸売業者がするケースも見られ、このような事務処理だけの卸売業を帳合卸商という場合もある。
 

直接広告

【direct advertising】

家庭や職場に直接入り込み、パーソナル・コミュニケーション方式をとる広告。即効性を期待する広告。特定の対象に訴えることにより、少ない費用で効果的に広告目的を達することができる。例としては、ダイレクト・メール、駅や店頭で配るテッシュ、名入粗品、特定地域に配るチラシ広告などがある。直接広告に対し、マスコミなどで不特定多数に働きかける広告を間接広告という。また、企業広告を間接広告とした時に、商品広告を直接広告という場合もある。
  直接行動広告 直接の反応を喚起することをねらいとした広告をいう。広告の受け手が、広告商品に対する注文を直ちに行ったり、あるいは、詳しい情報を求めたりすることを追求する広告をいう。通信販売広告、値引広告、特売広告などがこれに属する。
  直接信用供与 割賦販売の際に、購入者に対して販売者自身が信用保証した形で割賦契約をすること。この方式は、代金回収のための手数がかかり、また危険負担も販売者が負わなければならないため、金融や回収を専門企業に委託する間接信用供与方式が次第に多くなってきている。
 

直販制度

【direct selling system】

メーカーが卸売業などの中間流通業者を通さずに、直接ユーザや最終小売業者に商品を販売する制度。通常は事業所対象のリース商品やメインテナンスが重要な商品の販売に際して採用されることが多い。メリットは、中間マージンを排除できるということだけでなく、接客サービスやアフター・サービスなどのソフト面でメーカーのマーケティング政策を徹底させることができる点である。
 

貯蓄性向

【propensity to save】

所得のうち貯蓄に向けられる割合を貯蓄性向という。消費性向と一対の槻念であり、消費性向と貯蓄性向の和は1となる。日本では以前から貯蓄性向の高さが指摘されているが、これは将来に対する生活不安や住宅取得という問題が背景となっており、さらに倹約を美徳とする国民性などが考えられる。
チラ チラシ広告 新聞折込みの方法を使って知らせる広告。比較的狭い商圏内の消費者に告知する方法として有効であるところから、スーパーなどの売出し広告や不動産物件広告などでよく利用されている。テレビや新聞広告と比べて、より直接的に訴えることができ、また費用も比較的安価である。
チル チルド輸送 摂氏0度前後に温度を保ったコンテナ輸送のこと。子供対象の商品であるプリンやヨーグルトなど要冷蔵生菓子市場が急成長していることもあって、最近急速に成長している輸送方法である。冷凍輸送に比べ保存期間は短いが、手軽に輸送できるというメリットがある。
チン 陳腐化政策 正しくは計画的陳腐化政策。市場における製品寿命が十分あるにもかかわらずデザインや性能を少し変化させた新製品を発売し、それまでの製品を相対的に陳腐化させ、新製品の需要を創り出す政策。自動車や家電製品などの耐久消費財のモデル・チェンジ政策などが典型例である。