カナ 用語 解説
イギ

異業態間競争

【inter-type competition】

類似した業種であって、異なる業態での流通業界での競争のことをさしている。たとえば、百貨店と大型スーパー、量販店と専門店、系列店と独立店などの間で起こる競争は、異業態間競争とみることができる。最近では、業態間の競争はもちろん、情報テクノロジー(IT)の発達で、異業種間競争の様子を呈してきた。インターネットを利用したメーカーのダイレクト販売(松下電器産業、ソニーなど)が始まり、メーカーや卸売業、小売業の境界が風化し始めている。
イコ

移行ゾーン

買い物客が店内に入って体を適応させるまでに通過してしまう場所。例えば、雨の日などは、店内に入った顧客は傘をしまったり、洋服の濡れた箇所をハンカチで拭いたりしながら入り口付近を通過してしまう。
イシ 意思決定 意思決定とは、狭義の解釈では、所定の行動の代替の中から、特定のひとつの代替案を選び出すこと。意思決定論で有名なH・A・サイモンは意思決定に対する広義の定義をしている。意思決定には問題状況の識別・発見(インテリジェンス)、行動の代替案の選択(デザイン)、特定の代替案の選択(チョイス)の3つの基本的段階がふくまれるとした。意思決定の種類意思決定には定型的意思決定と非定型的意思決定の2種類があるという2分類論と戦略的意思決定、管理的意思決定、業務的意思決定の3種類があるとする分類法がある。
  意匠法
昭和34年に定められた法律。指定物品について登録を受けた意匠及びこれに類似する意匠を独占的に利用する権利を保護する法律。意匠とは、物品の形状、模様もしくは色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美観を起こさせるものである。意匠登録の要件としては、工業に利用できること、新規であること、進歩性すなわち独創性があることなどである。
イジ 維持広告
商品のマーケット・シェアを維持する目的で行われる広告を維持広告という。商品のライフサイクルは、導入期、成長期、成熟期、衰退期の経過をたどるが、広告活動は商品のライフサイクル上の位置によって、それに対応した形で展開される。
イタ 委託売買 商品の販売や買付を、一定の手数料を払って第三者の代行機関に委託すること。販売を委託する委託販売と、買付を委託する委託買付の2つがある。委託する場合、売り値の下限、または買い値の上限を指定する指値売買と、市価の変動により、受託者の力量に任す成行売買があり、委託者は、委託に際して、このいずれかを選択しなければならない。
イチ 一次的データ 市場調査のデータを収集の目的によって分類すると、一次的データと二次的データまたは既存データがある。一次的データとは、ある特定の企業がそのマーケティング問題を解決するために、自社で実際に調査をして収集したものである。企業があるマーケティング問題を解決するにあたって、まず経営の内外にある既存データを収集し、分析していくが、これらのデータでは、問題解決に十分に役立たない場合に、自社で企画し、調整を行ってデータを収集する。これが一次的データである。
イツ 一般管理費 製造や販売の現業部門ではなく、総務や人事、経理といった一般管理部門の費用。費目としては役員や事務員の給料・手当、減価償却費、地代・家賃、事務用消耗品費、通信交通費、保険料、交際費などがある。
イテ 一店一帳合制 メーカーが小売店に対して特定の卸売業者以外からは仕入ができないようにする制度。流通系列化戦略の一つであり、また社会経済的にみても流通の近代化・合理化に貢献すると考えられている。しかし、法律上はいくつかの疑問点がある。たとえば、この制度が再販商品と同様な効果をもたらし、非再販商品については違法性が強いこと、小売店と卸売業者との取引を不当に拘束し、競争の有効性を阻害すること、などである。
イト

イート・イン

【eat in】

大型店などでコーヒーや簡単なスナックのスタンドなどを、紳士服・婦人服販売場など飲食フロア以外のフロアに設置して来店客にサービスする形式。デパートやショッピングセンターなどのような大規模小売店においては、飲食関係は一つのフロアなどに集中的に設置するのが適例であるが、物飯フロアなどに簡単な飲食施設を設置することによって、ショッピング客により楽しい買物環境を提供しようというもの。顧客サービスで有名な百貨店ノードストロムはPUBを紳士服フロアに設置している。
イド 移動平均法 販売用語として、2つの用法がある。販売高が、一時的な要因によって異常に上下していることがある場合、このような要因を排除し、傾向的変動を把握する方法。短期間の平均をとり、つぎに一期ずらして平均値をとり、何年間かの平均値をみる。移動平均値を決めることによって、販売の傾向的な動向を分析することができる。棚卸資産の払出原価計算法のひとつ。新しく品物を仕入れたら、そのつど前の在庫を加えて平均したものを原価とし、その平均原価を払出原価とする。
イノ

イノベーション

【innovation】

革新、または新機軸を打ち出すこと。オーストリアの経済学者シュンベーターが、企業発展のためにはイノベーションが必要であるとし、4つの条件をあげている。新製品を開発し、消費者に提供する。新しい生産方式を導入したり、新しい販路を開拓する。原材料の新しい供給滞を確保する。新組織をつくりあげる。シュンベーターは、イノベーションを企業の活力源としてとらえたのであるが、今日では、イノベーションは、技術革新の意味に用いられることが多く、画期的な技術開発が経済社会や生活に与える影響について関心が寄せられるようになっている。
イベ

イベント

【event】

「催し物」を総称する言葉。万博などのような国家的な催しから、店頭での販促的な行為まで、幅広く使われている。店舗に関連するものに限れば「催し物」全般のことで、企業イメージを高め、お客の来店頻度を増し、売上増加を目的とする。客と店とのコミュニケーションづくりに有効な手段とされ、店舗に活気を与えるための演出の一手法として重要視されている。
イメ

イメージ広告

【image advertising】

企業・商品・ブランドの好ましいイメージを形成することを図って行なわれる広告。消費者に好印象をあたえておくことにより、商品選択時に有利な状況をつくりあげることを目的とする。特に、競争品や他社製品との間に、機能やデザイン上の差別化が弱いような商品については、イメージによる差別化に効果がある。また、消費者に連想や暗示・ムードによって好ましいイメージをもたせることが有効な商品群であるファッション品や化粧品、あるいは百貨店などで利用されることが多い。イメージという言葉は、あいまいさをもっているが、心理学では、心像、映像の意味である。企業や商品に、好ましい心像を築くための広告がイメージ広告といわれる。
 

イメージ調査

【image research】

消費者や一般大衆は各人が、企業に対して企業それ自体ばかりではなく、その製品・商標・ブランド名・企業活動に、明確にあるいは漠然とした印象や、それらから連想する感覚的、情緒的な反応をもっているが、これをイメージという。これらのイメージは消費者の購買行動に大きな影響を与えるので、企業は実態調査を適切に行って、イメージを正しくとらえ、それが常に好ましい方向へ向かうよう努力する必要がある。イメージ調査は、企業や商品・ブランドについて評価・測定する市場調査の一種で、態度・印象・好悪・期待といった、感情的・感覚的な側面から調査する手法。最も一般的な手法は、SD法と呼ばれるもので、たとえばある企業のイメージを測定する場合に「たいへん活力がある」「まあ活力がある」「あまり活力がない」「全く活力がない」「なんともいえない」といった数段階の尺度で判定させるやり方である。また、イメージ調査にはこのほか対象の言葉(企業名、商品名)から連想されるイメージ(高級だ、親しみやすい、など)を自由にあげさせる言語連想法が使われている。
イラ イラストレーション さし絵、説明図のことで、絵画的表現、図案的表現、写真による表現などがある。広告の構成要素の中で、注目を引きつけるために使用される視覚的要素で、略してイラストともいう。
イン 員外利用 組織の構成員を対象に事業活動を展開している各種協同組合、購買会社などの事業を、非構成員にも利用させることをいう。多数の小売店舗を持つ農業協同組合や生活協同組合の活動によくみられる。
 

印刷媒体

【print media】

印刷物で広告を行う媒体。印刷されるものすべてがこのなかに含まれる。雑誌、新聞、ポスター、ダイレクト・メール、チラシ、カレンダーなどがあるが、最近では、袋、タバコ包装、官製ハガキなど、まったく新しい媒体が出てきており、新しい広告方法として注目されている。通信販売に使われている数百ページのカタログもこの中に入れられる。
  因子分析 心理学の分野で開発された分析方法で、ある事象に関する多数の量的データから、その事象に強い影響を与えている少数の因子をとり出す時に利用される多変量解析法のひとつ。消費者がある商品やブランドの購入を決定する過程では、所得や価格・素材・デザイン・広告・店員の接客態度など多数の因子が複雑にからみあっている。そこで、因子分析の手法を使うと、これら多数の因子のなかから、購入決定に影響を与える少数の重要な因子をとり出すことができるわけである。
 

イン・ショップ

【in shop】

デパートやショッピングセンターなどの大型店の売場に、比較的小規模の独立した店舗形態の売場を設置すること。消費者の購買動機が多様化し、専門化したことによって、豊富な品揃えやその分野に関する深い知識が要求されるようになり、一般的な売場の中に専門店としての機能をもつ売場が必要となってきた。その結果、店(大型店)の中の店(イン・ショップ)という形態が出現した。
  インストア・
マーチャンダイジング
広告や新聞折り込みによる販売促進ではなく、店内で実施される売場管理をインストア・マーチャンダイジングという。インストア・プロモーションとスペース・マネジメントに分かれる。(1)インストア・プロモーションとは、エンド陳列などの店内販促活動。(2)スペース・マネジメントは、更に棚割計画とフロア・マネジメントに分かれる。棚割計画とは商品カテゴリー別にどのアイテムをどの棚、どの段に何フェース並べ、陳列数はいくらにするかの計画と管理。フロア・マネジメントはお客様の動線を意識的に変えていく管理手法。
 

インセンティブ

【incentive】

刺激・奨励・誘因などがその本来の意味であるが、販売店援助という側面でこの用語が使われる場合には、小売店の販売意欲を刺激・奨励して販売活動を活性化させる施策をいう。具体的には、セールス・コンテストの実施やディーラー・セミナー、POP技術指導、チラシ広告への協賛金など。最近では顧客データを分析し、顧客の購買金額に応じてポイントを提供したり、景品、割引券、商品券など提供することもインセンティブと表現するようになっている。
 

インダストリアル・デザイン

【industrial design】

工業デザインとも呼び、広告やPOPなどの商業デザインに対して、商品の大きさ、形状、包装、外観、模様などのデザインをいう。プロダクト・デザインとも呼ばれる。商品差別化には、ビール業界など多くの業界で見られるように容器などのデザインが寄与する割合が高くなっているので、インダストリアル・デザインを重視する企業が多くなっている。さらに商業デザインの領域もこれに含めようとする考え方も出てきている。
  インテリア商品 エクステリア商品の対語で、屋内で使う住関連用品の総称。その商品は家具類から始まってル一ム・アクセサリー類まで極めて広範囲にわたっている。主な商品には、家具、建具、敷物、カーテン類、照明器具、寝具、ルーム・アクセサリーなどがある。これまでは、機能性が重視された商品が多かったが、最近ではファッション性が重視される傾向にあり、色や素材による卜ータル・コーデイネーション志向が強まってきている。
 

インテンシブ・スタディ

【intensive study】

少数の事例について詳細に研究する方法。たとえば、ハナコ世代の典型と思われる人を朝から晩まで徹底的に密着取材し、その人の服装・会話・行動を逐一記録する。カメラやビデオ、テープレコーダーを用いることが多い。インテンシブ・スタディは、一例をもって全体を代表させる方法というのではなくて、詳細観察の中から何か新しい生活のあり方や、新商品のアイデアを発掘する手段として利用されることが多い。
 

インドア・ツー・インドア

【indoor to indoor】

輸送および荷役の合理化により物流はドア・ツー・ドアが常識となったが、それを一歩進めたものがインドア・ツー・インドアである。すなわち、生産工場の屋内から小売店の店頭までの荷役・輸送を行うものであるが、場合によっては生産工場の屋内から、一般家庭の居間までを直結させることもある。このシステムの場合、荷の発着の両端ではコンテナは不適であり、パレットが中心となる。
 

インナー・キャンペーン

【inner campaign】

直接消費者を対象としたアウター・キャンペーンに対し、販売店やセールスマンなど、流通チャネルに対する集中的販売促進活動のこと。キャンペーンはもともと、一定期間に特定の目的を達成するために行う活動である。これに対して、販売キャンペーンとしてのインナー・キャンペーンは、販売コンテストや、各種コンクール・表彰制度で、販売店などに自社商品の仕入れを増やさせるとともに、販売意欲を高めることを目的として行うものである。
  インフォマーシャル インフォメーション(情報)とコマーシャル(広告)の合成語。CATV、デジタル放送など情報テクノロジーの発達に伴って開発されつつある広告手法で、広告の対象となる商品・サービスや店舗に関しての詳細な情報を提供し、消費者の理解を高めようとするもの。
 

インフレーション

【inflation】

物価水準が相当期間にわたって持続的に上昇する現象のこと。その発生原因により、原料・人件費などのコストの値上りによって起こるコスト・インフレ、需要が供給を上回ることによって起こる需要インフレ、外国のインフレの影響で起こる輸入インフレなどに分類される。景気との関連からいえば、原則的に景気の好況期に購買が活発化し物価が上昇(インフレーション)することが多く、不況下のインフレであるスタグフレーションでは、消費が沈滞する。