カナ 用語 解説
ライ

ライフサイクル

【life-cycle】

生物の一生の過程を、誕生から成長、そして衰退へと描く周期のこと。このサイクルがマーケティングにも適用されるようになった。たとえば、人間を個人と社会関係との流れの中でとらえた家族周期(ファミリー・ライフサイクル)、商品開発から廃棄にまでのプロダクト(製品)ライフサイクルなどである。市場導入期、市場形成期、市場成熟期、市場衰退期というように製品・商品にもライフサイクルがあるという考え方。取扱商品が、いま、ライフサイクルのどのステージにあるかを判断することがマーケティングにとって重要な課題になる。
 

ライフサイクル・コスト

【life-cycle cost】

商品購入時の消費者の新しい選択基準。商品購入によって発生する費用は、商品価格、運用維持費、保管スペース費の3つ。単に売価だけでなく、商品を所有することによる費用効率まで含めて総合的に判断し、購入しようとする行動。とくに耐久消費財でこの傾向が強い。
 

ライフスタイル

【life-style】

消費者が、所与の社会的、文化的、経済的条件のもとで示す生活の態様をいう。消費者主体である消費者は、社会構造のなかで複数の地位と役割を担っているが、それに対応してライフスタイルの形態と範囲を限定している。消費者のもっているライフスタイルが消費行動を制約している場合もある。ライフスタイルは消費者がもつ価値観や哲学にも左右され、所得にも影響される。所得関連では、所得が高くなれば、それ相当の生活パターンを示す。
 

ライフスタイル・
セグメンテーション

【lifestyle segmentation】

市場細分化の方法として、人間の態度、意識、価値観、行動パターンなどを測定し、その同質性と異質性から消費者を分類する方法。分類された消費者グループは、その同質性によって適切な名づけが行なわれる。ライフスタイル・タイポロジー(類型)ともいう。米国のスタンフォード研究所のVALS(Value and Life Style)マズローの欲求階層理論を参考にし、9つのタイポロジーに分類した。生活耐乏グループにはいる(1)サバイバー(落後者)、(2)サステイナー(耐久者)、外的動因に動かされる(3)ビロンガー(保守常識者)、(4)エミュレーター(上位志向派)、(5)アチーバー(目標到達者)、内的心理動因で動く(6)アイ・アム・ミー(個性派)、(7)イクスペリエンシャル(経験志向派)、(8)ソサイタリー・コンシャス(社会経験派)、それに(9)自己実現の9タイポロジーである。タイポロジーによって購入される商品、生活スタイル、趣味・嗜好が違う。
 

ライフ・ステージ

【lifestage】

人生のライフサイクルにおける、ある一定時期の家庭や生活の状況をさす。たとえば、結婚による家庭形成期、赤ちゃん誕生による育児専念期、子供の教育期、子供の独立期などがあげられる。『キャリア・カップル』の著者、ホール夫妻はつぎの6ステージに分けている。(1)「夫婦」のステージ−結婚に始まり、第一子の誕生で終わるステージで、極めて満足感、幸福感が高いステージである。(2)「拡張期」のステージ−第一子誕生から第二子の誕生するまでで、親としての役割が始まり、家を空けることが大変で、プレッシャーと葛藤が急激に上昇するステージ。(3)「ピーク期」ステージ−2人以上の就学前の子供がいるステージで、自分のための時間がほとんどなく、プレッシャーと責任が劇的に上昇するステージ。(4)「フルハウス」ステージ−子供の修学に始まり、一番上の子供が家を離れるときに終わるステージで、家事に携わることがまだかなり多いが、再び職場に戻る決心はできる時期でもある。(5)「縮小」ステージ−第一子が家を去り、終わりは末子が独立したときで、親としてより、再び一人の人間として生活ができるようになるステージ。(6)「区泊の家族期」ステージ−みんな家を離れてしまう時期。
  ライリーの法則 商業立地ならびに、商圏の分岐点を計算するための代表的な法則である。米国の経済学者ライリーが1029年実証的に発見したもので、「ある地域から2つの都市A、Bへ流れる購買力の比は、AとBの人口に比例し、その地域からAとBへの距離の2乗に反比例する」ことをいう。この法則は現実に適用するには、あまりにも単純化し過ぎているとの批判も多く出されている。その後の研究によって、距離の代わりに鉄道運賃や列車頻度、あるいは時間・距離という所要時間を用いたほうが適合度が高いこと、商品によって距離パラメーターが異なること、などの実証結果も報告されている。
 

ライン・ロビング

【line robbing】

特定のテーマに絞った商品構成をはかり、そのテーマからはずれる商品を大胆にカットして専門化をはかり、奥行のある商品構成をする手法。ライン・ロビングを実施するためには、これまでの販売資料から売れ筋を的確に把握するとともに、商圏分析を行ない商圏特性に対応した商品政策に留意する必要がある。
ラツ

ラック

【rack】

商品を保管する機具。棚のこと。普通のスピード・ラック、フォークリフトの通り抜けできるドライブイン・ラック、少し傾斜をつけ先入れ先出しが自動的にできるフロー・ラックなどがある。
 

ラック・ジョバー

【rack jobber】

小売店から、売場の一定スペースの一切の管理をまかされた問屋をいう。問屋は品揃えから陳列、販促括動のすべてを実施し、小売店はそのスペース部分については販売だけを担当する。小売店が不慣れな商品部門を扱う時にとられる方式である。
  ラック倉庫 倉庫を立体化するためにラック(棚)を設けた倉庫のこと。ラックが建物と独立しているものをユニット式ラックといい、ラックで屋根や壁を支えている形式のものをビル式ラックという。平積みの倉庫よりも収納能力が格段に大きくなるだけでなく、倉庫の自動化のためにもラックは不可欠のものである。また、このラックが標準化されればユニット・ロード・システムの効率も上げることができる。
ラベ

ラベリング

【labeling】

製品のブランド、品質、内容などを表示した小紙片を添付したり、包装紙に印刷したりすること。その主たる目的は、品質や内容を明確にすることにより買い手の便宜を図ることであるが、メーカー・サイドからすれば自社製品の優秀性を示し、差別化していくための重要な手段のひとつと考えられる。
ラン ランチェスターの法則 英国の航空工学者ランチェスターが第一次世界大戦の空中戦の資料を基礎に、飛行機の数と損害の量との関係を計量的に研究して、確立した法則。戦闘の勝敗を決する法則として、一騎打ちの法則と集中効果の法則という2つの基本ルールで理論化されている。第二次世界大戦中、戦略として、また作戦研究として展開され、その後、企業が販売戦略として応用している。特に、資本力など物量的に大企業と大きな格差のある中小企業が、新製品開発や販売ネットワークづくりの戦略として参考にしている面も多い。