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第5章 小売技術論(2)−正しいデータ分析
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POSデータの活用
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小売業は、昔、レジスターで金銭管理。言葉通り、金銭管理のために金銭登録機を購入して、1日の売上高を計算した。金銭登録機の精算合計と引き出しに入っている現金とあわせる。これが精算業務である。合計より現金が不足していると現金過不足。過剰だと現金過剰欄に記入して事務に渡す。 その後「部門別管理」という手法が小売業に持ち込まれた。18部門や8部門の合計をとれるような金銭登録機が開発された。部門別管理とは鮮魚、精肉、野菜、日配品、惣菜、飲料、一般食品など部門に区分けして売り上げ貢献度を分析する管理方法である。 およそ30年前、POSが開発された。商品のバーコードを読み取る技術が開発され、部門ではなく単品で売上が把握できるようになった。小売業界にとって、かつてない画期的な技術開発である。カテゴリー別になにがいちばん売れ(売れ筋)、なにが売れないか(死に筋)判別できるようになった。つぎのような分析が可能になった。 ◆アイテム別日販数の分析: 1日に売れる数量(日販数という)を把握する。豆腐は1日何個売れるかの数値。80個とか100個とか。晴れの日と雨の日では豆腐の売上数が変わる。 ◆曜日別日販売数:和牛サーロンステーキでは日曜108個、月曜25個、火曜23個、水曜9個、木曜20個、金曜18個、土曜90個など単品別曜日別売上数の分析。 ◆時間帯来店客数の分析:スーパーマーケットの来店ピーク午後4時から5時。第2のピークは午前11時から12時。ピーク時間に商品が欠品しないようにしっかりと商品補充する。要員計画も時間帯別来店客数にあわせて計画する(レーバースケジューリング)。 ◆特売効果の分析:特売商品の売上分析。「広告の品」とか「お勤め品」とか。たくさん売るためにゴンドラの両端、エンドに大量陳列する。安い価格、エンド陳列、チラシ広告が特売の基本行動。チラシなしでもエンド陳列をすると売上数が4〜6倍。チラシとエンド陳列で7倍以上。チラシ、エンド陳列、半額セールだと約40倍売れるという時期もあった。 ◆エンド陳列効果:その効果分析調査をビフォー・アフター分析(before-after)という。グレープフルーツジュースをエンドで販売したら25.7個というPI(Purchase
Index)値だった。 ◆PIとは、チェックアウトを通過したお客様1000人あたり何個購入されたかを表す数値。エンド陳列前は2.9個、エンド陳列25.7個、エンド陳列終了後13.6個。エンド陳列効果があったという判定になる。 (POSについての学習は『POSシステムの知識』日経文庫荒川圭基著参照)
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